フレグランスでその人のイメージが出来る説

2023年1月19日
▼香りの記憶「プルースト効果」
特定の香りを嗅ぐことで当時の記憶や感情・関連する人物・風景などを思い出す現象を「プルースト効果」といいます。ロマンチックで不思議なこの現象に深く関与しているのが、「嗅覚」と脳の関係です。
人間を含む動物には、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感が存在します。それぞれの感覚は大脳辺縁系にある海馬という器官に送られ、脳に記憶されます。目・耳・手足・舌から得られた感覚は、思考を司る大脳新皮質を経由してから海馬に送られますが、嗅覚だけは、鼻から直接、大脳辺縁系の海馬に送られます。情報としてしっかりと処理されたうえで記憶される他の感覚と異なり、脳にダイレクトに送られる嗅覚は、より鮮明な記憶として脳に刻まれます。香りという鮮烈な記憶が、プルースト効果という現象を発生させているのです。


▼フレグランスでイメージ作り
フレグランスの香りにも、プルースト効果は発生します。友人・恋人・恩師…特定のフレグランスを嗅いだとき、その人を思い出すのは、その人がつけていたフレグランスの香りが、記憶として強く残っているからです。香りという鮮烈な記憶をキッカケに、その人がそのとき着ていた服・髪型・会話の内容・表情など、嗅覚以外の五感で記憶された情報が加わり、その人のイメージとして浮かび上がります。一度焼き付いたそのイメージは、そうそう消えません。異質で強烈で繊細。ときに甘くときに切なく。それが、香りという記憶です。

フレグランスはイメージ作りに使えるアイテム、と言い換えることもできます。爽やかなフレグランスをつければ、あなたのイメージは明るい・快活な人といったものになるでしょう。好印象なイメージは、様々なシーンで有効です。上司・部下・先輩・後輩・同僚・友人… あらゆる関係性をよいものにするでしょう。色気たっぷりのフレグランスをつければ、あなたのイメージは色っぽい・妖艶な人といったものになるでしょう。恋愛中なら、色気たっぷりのイメージは強力な武器です。自分のイメージが、そのまま意中の相手へのアプローチにもなります。
ただし、香りだけでイメージを完成させることは難しいため、爽やかなイメージなら爽やかな印象を与える服装や髪型、色気たっぷりのイメージなら色気を引きたてる服装や髪型など、香り以外の記憶に残る部分も考える必要があります。


▼同じ香りは存在しない
フレグランスは、つける人によって香りが変わります。つまり、イメージも変わります。その人の体臭そのものだったり生活空間の香りだったり、変化の要因や度合いは様々ですが、同じフレグランスであっても、まったく同じ香り・同じイメージになることは絶対にありません。憧れているモデルが使っているからといって同じフレグランスを使っても、そのモデルにはなれません。素敵なイメージは、その人が作り上げた、その人だけのものだからこそ素敵なのです。他人の真似をすることはできても、他人を再現することはできません。
あなたの香りを作るのは、あなた自身。香りという要素をベースに、自分をコーディネイトしていくセルフプロデュースのような感覚で楽しみながら、あなたにしか作れない・世界にひとつだけのイメージを作り上げていきましょう。